猫の尿路結石記録 #4 続けておけば良かった!?皮下補液

オリオンの闘病記録 尿路結石(2017)

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大きな病院での精密検査の結果、「シュウ酸カルシウム結石(尿路結石)」の診断を受けたものの、特にできる処置がなく経過観察となったオリオン。
その約10日後に尿管閉塞(おしっこが詰まってしまう)が起こり緊急手術になるのですが…

その前に、今回は背中から入れる輸液処置「皮下補液」についての獣医師たちの見解をシェアします。

これは尿路結石だけでなく、皮下補液の常連さんも多い、腎臓病を患った猫ちゃんたちにも参考になるかなと思い記事にしました。

もちろん、その子その子で体力や状況も異なります。
「どちらが正しい」ではなく、「こんな例があったよ」という感じで読んでみてください。

INDEX

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続けておけば良かった!?皮下補液

おしり
尿路結石シリーズはヘビーでちょっと疲れたから、プリプリのおしりに癒されてね!

「シュウ酸カルシウム結石(尿路結石)」が体調不良の原因だとはわかったものの、経過観察となったオリオン。

精密検査を受ける前は体調が悪かったので、ホームドクターの元で皮下補液(背中から入れる輸液処置)をしてもらって元気を保っていたのですが、大きな病院では「それはあまり効果はないかも(不要)」と言われました。

これは、どちらが正しくどちらが間違っているというわけではなく、やや大きな病院2件で「特に直接の効果はない」と同じ見解でした。
みてもらったのは2名とも腎臓の専門医です。

なぜ皮下補液に効果がない?大きな動物病院にて専門医の説明

二次病院であり夜間救急も行っている。そして手術が常に行われており、重病患者ばかりのこの病院では「患者に寄り添う」形の診療というよりも「命の現場」といった印象です。特徴は「様子」よりも「数値」をみて判断する感じです。

獣医師からの説明は、
「水分を口から摂取する事は大事だが、輸液自体は結石の改善データがない。」
とかそんなような感じだったと思います。
あまり深くは説明はなかったものの、きっとデータに基づいた見解なのだと思いました。

また、他の大きな病院(獣医師がたくさんいるような病院)でも、同じような見解であり、私はこれを間違った診断だとは思っていません。

なぜ皮下補液をする?ホームドクターの説明

この時は大病院にバトンタッチしたので伺えなかったのですが、2年後オリオンに同じ症状が起こった際には皮下補液処置の継続を選びました。
その際皮下補液について聞いてみると、ホームドクターはこんな見解でした。

「猫はあまり水をがぶ飲みしない。皮下補液をすると体の水分が増えて勢いよくおしっこがたくさん出る。小さな結石なら詰まらずそのまま流れるのでは」
軽く書くとこんな感じですが、「飲み水の補助」「ちょっと体調悪い子がよくなる補助」として処置をしているというニュアンスでした。

「食塩濃度」にたとえてわかりやすく説明してくれたエピソードがあるので、詳しくはこちらの記事もあわせてどうぞ。
私はこれでナルホド!と納得しました。
👉🏽 猫に多い「あの」病気の予防!水分補給は人間が気をつけてあげよう

また、「結石=皮下補液が必要」ではなく、この時嘔吐が多かったり体調が優れなかったので、元気であれば皮下補液は必要ではないとの事でした。

この時は皮下補液を続ければ良かったかなと後悔

オリオン
ふむふむ、にゃるほど…

小さな個人病院では先生の経験のもと、「こうしたら良くなる子が多かった」と処置をする場合がありますが、大きな病院ではたくさんの先生がいるため、「数値的なデータ」での管理がベースだと思います。

すでに診療は大きな病院へバトンタッチしていたのもあり、ここで私は皮下補液をストップしてしまいました。
これが原因なのかは断定できないのですが、このすぐ後にオリオンはおしっこが詰まる尿管閉塞で緊急手術となってしまいます。

そして2年後、冒頭に書いたようなことと同じような症状が起こるのですが、ホームドクターの元で皮下補液を週2回、1ヶ月ほど続けたところ、手術にならず快方に向かいました。
データ分析の結果ではないので「皮下補液による効果だ!」とは言い切れないのですが、腎臓病も尿路結石も、オリオンは皮下補液に助けられています。

腎臓病の場合ですが、インスタグラムのお友達の中にも「皮下補液で楽になったよ~」なんて投稿を見かけます。
結石でも同じような子はいるのかな〜?
👉🏽 猫の腎臓病・尿路結石 #2 結石注意報の際は皮下補液の早期対処で閉塞予防!

猫の腎臓病・尿路結石 #2 結石注意報の際は皮下補液の早期対処で閉塞予防!

気がかりな症状があり、動物病院へ行ったオリオン。尿路結石悪化の疑いがあったので皮下補液による閉塞予防処置を行うことになりました。

大きな病院、小さな病院それぞれに良さがある

オリオン
先生たちのおかげで元気に過ごしてるよ〜

ここまで読んでもらうと、「大病院はよくない」といった印象があるかもですが、そうではありません。

オリオンのホームドクターは、失礼かもしれませんが特に名医ってわけではなく、フードの事もそんなに詳しくないし、「薬は何を飲んでるんだっけ?」とカルテをあまり見てなくてフワッとしてたり、病気についても最先端の知識があるわけではないです。

でも、時間帯によりますが患者さんでいっぱいの人気のある病院です。
ホームドクターの先生には長い経験があり、「患者に寄り添う」診療ができるアットホームな病院です。オリオンは5年以上お世話になっています。

一方、大きな病院は「各科の専門医」がいることが強みです。
治療費は確かに高い。でも、腎臓、心臓などに専門の知識を持っていて、一般の病院ではできないような手術もできる。病院によっては夜間救急を行なっている。

我が家も徒歩圏ではないけれど、すぐに連れて行ける場所に救急病院がある事はすごく心強いです。

インスタのお友達の通院の様子を見ていると、「小規模動物病院だけど難しい手術もできちゃう」なんていう病院もあったりします。

今回は見解は違えど、意見を伺ったどの病院も「間違い」とは思いません。
動物病院には人間同様「ヤブ医者」「ぼったくり医院」もたくさんあるそうです。
良い病院を探しつつ、自分自身でも「最善の判断」ができるように心がけたいですね。

次回は、ついに起こってしまった尿管閉塞と緊急入院・手術のエピソードをお話しします。
同じ尿路疾患の猫ちゃんのご家族の参考になりますように…

次の記事はこちら👉🏽 #5 尿管閉塞と緊急手術・入院・費用について
ひとつ前の記事はこちら👉🏽 #3 シュウ酸カルシウム結石発覚!でも…処置ができず

👉🏽 【まとめ】猫のオリオンの尿路結石記録

【まとめ】猫のオリオンの尿路結石記録

2017年、オリオンが「尿路結石」による「閉塞(へいそく)」を起こし、その場所が悪く緊急手術と入院になった時のエピソード集。