猫のオリオンの腎臓病記録 #4 回復のカギは皮下補液とおしっこ

オリオンの闘病記録 腎臓病(2015)

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2015年5月28日の深夜(29日)、腎不全・尿毒症で夜間救急動物病院で一命をとりとめたオリオンは、6月に入り回復の兆しがありました。

「治らない病」である腎臓病と診断されたご家族は大変辛い気持ちだと思いますが、「寛解する」という可能性だって十分にあり得ます。

希望を捨てずに、猫ちゃんに寄り添ってあげてくださいね。

INDEX

オリオンが腎不全発作を起こした時のことはこちらに記事にしました。
👉 猫のオリオンの腎臓病記録 #1 突然の腎不全発作
👉 猫のオリオンの腎臓病記録 まとめ

猫のオリオンの腎臓病記録 #1 突然の腎不全発作

猫のオリオンが腎不全から回復した道のりを少しずつアップしていきます。猫の腎不全は一刻を争います。

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入院は4日間

腎不全時の入院期間は5月30日から6月3日までの間の4日間でした。

かかりつけの動物病院は個人医院なので、夜間に命の危険があること(夜つきっきりにはなれないので)と、ストレス緩和などの理由で、「朝入院、夕方お迎え」のスタイルで入院治療となりました。

腎臓病治療でオリオンが受けたのは利尿剤の注射と点滴、皮下補液。
点滴は腕から、皮下補液は背中から輸液を投与してもらいました。

入院
入院中のオリオン。お昼はお見舞いに来てくださいと言ってもらえたので安心。

6月に入り「回復の兆し」が少し見えたとはいえ、6月4日の腎臓の数値は、
BUN  140 over / CRE(クレアチニン) 12.5
 ととても危険な状態でした。
※この「CRE」「BUN」はどちらも腎臓の状態を表す数値で、正常値はBUNは13.1〜29.5、CREは0.8〜1.9です。

この時の「回復の兆し」は数値的なものではなく、お水を飲んだりおしっこをしたりを繰り返した後、家で探検する姿を見せてくれたり、目に力が出てきたりという感覚値での兆しです。ですがこれは大きな変化です。

数日の入院の間、点滴と利尿剤では数値の改善が見られず…
そんな時、「通院での皮下補液治療に切り替えましょう」と獣医師から言われました。

点滴で効果がなかった事について獣医師の顔も曇っていたので、「良くなってきたから次はこの処置にしよう!」というポジティブなものではなく、「点滴が効かないので、皮下補液を試してみよう」という感じで、まだ命の危機は拭えない状況でした。

退院後の通院メニューは「通院+皮下補液と頻繁な血液検査」。
しばらくは1日おきのリズムで通院していました。

皮下補液の量は規定外の500ml!

点滴痕
点滴痕が痛々しい…ここから採血もしました

背中から輸液を入れる「皮下補液」の処置。
入れる輸液量は通常200mlほどだそうなのですが、オリオンのホームドクターは、体の大きなオリオンに毎回のように、500mlの皮下補液治療を行いました。

この病院がお休みの際、診断書を持って他の動物病院を当たったのですが、500mlはできないと断られたほどです。

この頃の皮下補液のリズムは1日おきで、動物病院が近所で良かったです。
皮下補液の日にオリオンを連れて、「もうすぐだよ」と声をかけながら病院まで歩いたのを今も鮮明に覚えています。夏も秋も、たくさん通いました。

猫の年齢、体格、体力などなどを考慮して、大量の皮下補液を入れてもらい治療をしました。
この治療はデータに基づき…というよりはホームドクターの経験値による判断でした。
これがオリオンにとっては良かったようで、腕から入れる点滴とは比べ物にならないほど効果がありました。

皮下補液で助かったといってもいいくらいです。

ただ、これはオリオンの場合の事例であり、状態によっては「皮下補液自体が危険」であったり、補液が体に吸収できないと心臓に負担がかかったり、危険な場合もあるのだそうです。

点滴よりも多くの輸液を体に入れられて効果も大きな皮下補液ですが、状態によってはリスクも伴います。

オリオンも何度か「皮下補液が効かない!吸収しない!」という事態がありましたが、そんな時は2、3日様子をみて処置を再開しました。

皮下補液が吸収できてない場合、1日経っても背中や腕の部分にラクダの「こぶ」のように水分が余っているので、すぐに見分けがつきます。

キーワードは「おしっこ」

トイレぴょん!
写真は2019年5月のムチムチオリオンです

6月1日、それまでは体調が悪そうだったオリオン、水飲みとおしっこを繰り返すと、少し希望が持てるような様子を見せるようになりました。
家の中を探検したり、日向ぼっこをしたり。

退院後の皮下補液治療の効果で、1日のおしっこの回数は10回以上。毒素が出て行ってくれたのかも…

まだ熱は39℃近くあり、(猫の平熱は37〜38℃)何も食べられなかったのですが、確かにこの辺りを境に体調が快方に向かいました。
腎不全の影響で悪くなっていた肝機能も改善しました。
どんどんおしっこをしてもらうことが大切です。

次の腎臓病記録では、具体的に数値が改善していったデータをアップします。
これを見ているご家族の方にも「小さな奇跡」が起きますように…そう願っています。

次の記事はこちら👉 #5 腎臓の数値は正常値へ、療法食デビュー
ひとつ前の記事はこちら👉 #3 回復期までの道のり

👉🏽 【まとめ】猫のオリオンの腎臓病記録

【まとめ】猫のオリオンの腎臓病記録

2015年に腎不全・尿毒症を患ったオリオンの奇跡の回復までのエピソード集!