猫のオリオンの腎臓病記録 #1 突然の腎不全発作
猫の腎不全は命の危険を伴い、一刻を争います。
このブログではオリオンが腎不全から回復した道のりを少しずつアップしています。
「腎不全」と聞いて目の前が真っ暗になっても、決して諦めないでください。
「猫は生きることを諦めない。」これはオリオンのホームドクターの言葉です。
オリオンが腎不全を発症したのは2015年5月の末。
腎臓の壊れたぶぶんは治りません。そのため腎臓病は完治しない病気ですが、回復(寛解)する可能性はあります。
そんなオリオン、2020年の今ではお薬を続けながら元気一杯過ごしています。
かつての私と同じように、猫の腎臓病からの回復を願ってこの記事にたどり着いた飼い主さんのお役に立てれば嬉しいです。

INDEX
突然の腎不全発作

それは深夜2時頃、オリオンと一緒に寝ていた時でした。
急にムクリと起き上がり、「ワーウ、ワーウ」と大声で鳴き出したのです。
様子がおかしいと思い電気をつけると、オリオンは瞳孔が開いておりブルブルと震えていました。猫の病気について詳しくなくとも、「この発作は危ない」というのはすぐにわかるレベルでした。
最寄りの夜間救急動物病院へすぐに電話。
状態を伝え、処置の準備をしてもらい、その間に車で病院へ。
事前に「何かあった時」の病院の情報を控えておいて本当に助かりました。
夜間救急に行く際は、いきなり行くよりも事前に電話を入れておくと処置の準備をしてくれるのでスムーズです。病院によっては必ず事前の電話が必要なところもあるので確認しておくと安心です。
腎不全時のオリオンの数値

オリオンの検査の結果は「腎不全」と「尿毒症」。
神経症状もありさらに肝機能値も異常がありました。
頭の中が真っ暗になりました。
この時のオリオンの血液値はこちら。詳しくはその下で説明しますね。
2015/5/29 深夜3時台〜救急病院にて
・CRE 9.3 / BUN 125.6
2015/5/29 朝、夕、かかりつけ医が休診のため別の病院にて
・CRE 9.9 / BUN 123.5
・CRE 11.5 / BUN 140.6
2015/5/30 かかりつけ医院にて
・CRE 14.7 / BUN 140以上(計測不能)

右:5/30 かかりつけ医院のデータ
この「CRE(クレアチニン)」「BUN」はどちらも腎臓の状態を表す数値で、正常値はBUNは13.1〜29.5、CREは0.8〜1.9です。これは病院によって若干異なるようです。特にCREの値を重視します。
オリオンはいずれも数値が高く、獣医師から「いつ亡くなってもおかしくない」と伝えられました。
診察では、床に立たせてまっすぐ歩けるか、飼い主の声に応答できるかなどを確認しました。
オリオンはふらふらとしており、私たち家族のことがわからないような状態でした。獣医さんは他の医師との連携用に動画記録を撮っていましたが、私は余裕がなく撮影はできませんでした。
夜間救急動物病院での処置

診察の後、すぐさま点滴の処置が行われました。
この時かかった夜間救急は21時~朝方5時までの急患を受け入れており、日中は「二次診療」(ホームドクターからの紹介状で診察を受ける)を行う病院です。
そのため救急処置が行えるのは朝5時まででしたが、先生のご厚意で7時まで、点滴をしてもらえました。
朝9時半には最寄りのホームドクターが開院するので、すぐにそちらに連れて行くようにと、連携用の受診データを受け取り指示を受けました。
オリオンが処置室で治療中、私と夫はYouTubeで腎不全発作の症状を見たり、闘病ブログを書かれている方の情報を集めました。オリオンが病気をしたのはこの時がはじめてで、どうしていいかわかりませんでした。
救急処置の金額
朝、一旦こちらの救急病院での処置は終了。オリオンは保険に入っていなかったので(4歳頃入ろうと検討していました)6万円ほどの治療費となりました。
ペット保険に入っていれば、契約内容によっては90%の保証が受けられたりもするんだそうです。
ひとまず一命はとりとめたもののまだ命の危険は続きます。
ホームドクターでの入院は半日、安楽死になるの…?

救急処置を終え寝ずに朝を迎え、この日はホームドクターが休診のため、別の動物医院にて朝夕2回の点滴処置をしました。この医院では預かりができなかったので、朝と夕方ともに診察へ行き点滴をしましたが、あまり点滴が入らず、数値は上がってしまいました。
2015/5/29 朝、夕、かかりつけ医が休診のため別の病院にて ・CRE 9.9 / BUN 123.5 ・CRE 11.5 / BUN 140.6
翌日30日、朝イチでかかりつけのホームドクターの元へ。
神経症状もあり、あまりに苦しそうなのでもう安楽死の選択になるのか、と絶望していましたが、「まだ希望はある」との事!
ホームドクターの元でも点滴治療をする事になりました。
この時腎臓の数値はとても高く、危険な状態でした。

2015/5/30 かかりつけ医院にて
・CRE 14.7 / BUN 140以上(計測不能)
てっきり一晩入院になるのかと思っていたら、夕方にはお迎えとの事。さらに近所だったこともあり、「お昼頃お見舞いに来てあげてください」と言ってもらえました。
そして夕方退院するのには理由がありました。
- 夜ケージの中にいる間に亡くなってしまう可能性があること。
(入院用のお部屋は先生の自宅なので有人ですが、いつも巡回しているわけではないため) - 自宅と違う環境がストレスになってしまうため。
- 家族のそばにいた方が快方に向かうだろうというこの先生の見解。
この後何日かは、朝~夕方までは病院で点滴治療を受け、夕方お迎えという日々でした。

命の危険がある間は交代で看病できると安心
「ペットの体調不良」のために仕事を休む事については今の時代でも賛否両論ですが、命にはかえられません。家族みんなでケアをして、オリオンは元気になったのだと思います。
夜間救急へ行った際の待ち時間に母へ連絡を入れ、母は「最期になるかもしれない」と始発で横浜から私たちの住む埼玉まで飛んできました。
記録を振り返ると到着は金曜日の朝だったので、仕事は休んでくれたような記憶があります。(その後も彼女は有給を取りちょくちょくお見舞いに来てくれました。)
おかげで無事に一緒にお見舞いやお迎えへ行くことができ、体調の急変が起こりやすい深夜も交代で睡眠をとることができました。
私はこの時期は自分の病気の治療中でちょうど仕事をしていなかったので、オリオンに命の危機がある期間を数人で見守ることができました。

包帯でおててがパンパンでかわいそう…!
この後IT企業で働いている妹も仕事用のMacBookを持って駆けつけてくれ、母が月曜日に仕事で帰宅した後も一人になる事なく看病できました。
こんな時リモート体制で働けるというのは本当に助かります。
深夜に働くトラックドライバーの夫は仕事が休めないので、休憩時間にまだ危険な状態のオリオンとLINEのビデオ通話をしました。「オリオン、オリオン」と話しかけてもぐったりとしており、自分が帰る頃まで生きててくれるかとても心配だった、と言っていました。
腎不全、尿毒症、肝機能障害などは生命の危機が伴います。
夜中には特に容体が急変することも多いそうなので、できることなら一人ではなく数人で看病できると安心ですね。

オリオンが腎不全になった時、参考になったのは他の方のブログでした。
猫がどんな症状だったのか、どんな処置を受けたのかなどを綴り、猫の様子を動画撮影してアップされている方もたくさんいました。
知識もなく絶望の淵に立っていた私にとって、とても心強かったです。
オリオンは幸いここから回復の道を辿ります。快方に向かった記録はまたアップします。
腎臓病、腎不全と戦う猫ちゃん、飼い主さんの参考になれば幸いです。
次の記事はこちら👉 #2 思い当たる症状
【まとめ】猫のオリオンの腎臓病記録
2015年に腎不全・尿毒症を患ったオリオンの奇跡の回復までのエピソード集!