猫の腎臓病・尿路結石 #7 続く尿中の潜血と白血球。獣医師の見解は…
2019年の8月の終わりに気がかりな症状が見つかり、腎臓に新たな結石が出来てしまっていたオリオン。
元気だけど腎臓の数値が上がっていたり、嘔吐が増えたりということで週2で皮下補液による対処療法をしたり、療法食を腎臓ケアから結石ケアのフードに変える処置をしました。
(最初のエピソードはこちらから↓)
👉 猫の腎臓病・尿路結石 #1 元気だけど気がかりな体の変化
1ヶ月後には腎臓の数値、嘔吐の症状は無事に改善され、本人もとっても元気に過ごしています。
結石自体は治療によっての除去はできないので、このまま温存することに。
(このような状態の猫は珍しいケースではなく、たくさんいるんだそうです。)
ピンチは乗り切れたけれど、尿検査では潜血尿と尿中白血球の症状は残ってしまいました…
今回は、その時の獣医師の見解と今後のケアについてシェアします。

INDEX
尿検査では未だ潜血と白血球の反応が…
腎臓の数値も良くなり、嘔吐も減って元気いっぱいのオリオン。
その後もしばらくの間は潜血尿を抑えるトランサミンというお薬や、感染症予防のための抗生物質も処方されていました。
そろそろ良くなってきたかな?と9月の終わりに尿検査紙(ウロペーパー)での尿検査をしてみたところ…
残念ながら尿検査の結果、白血球と潜血はくっきりと反応してしまいました。
下の写真は以前のものですが、こんな風に結果がわかります。

自宅でのおしっこ採取の方法はこちらで紹介しています。
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腎臓病、尿管結石など泌尿器の病気をした猫は定期的な尿検査が必要です。お家でのカンタンなおしっこの取り方をシェアします~!
現在の腎臓と結石の状況

腎臓の数値
やや高くなっていたものの、皮下補液の対処療法で正常値に戻る。
嘔吐
8月は8回と多かったものの、9月は4回、10月は1回(17日現在)と改善された。(元気な時でも月に2回ほどは空腹や毛玉など嘔吐する)
結石
2017年に発覚した左腎臓の結石の他に、今回右の腎臓にも結石が張り付いている事が発覚。
結石は両方とも1センチほどと大きく、手術での除去はできない。(猫の腎臓は3センチちょっと)
シュウ酸カルシウム結石のためフードで「溶ける」可能性は低いものの、これ以上悪くしないために対処療法として結石用の療法食を食べることになる。
おしっこの状態
潜血、白血球の反応あり。
この状況を踏まえて、獣医師に今後のケアを相談しました。
複数の動物病院での獣医師の見解

結石自体が取り除けないことは検査の際に説明を受けましたが、1ヶ月以上も尿に潜血と白血球の反応があるのは心配で、動物病院で再度相談することに。
今回検査をしてもらった、「精密検査が出来て獣医師もたくさんいる病院」と、皮下補液治療をしてもらった「ホームドクター」の2つの動物病院で、今後のケア方法を相談しました。
「信頼できる複数の獣医師の意見を聞く事」は結構重要かなと思っています。
大きな病院での見解と提案(担当医は1人)
- 結石自体が除去、治療できていないので潜血尿、白血球尿は仕方がない
- トランサミン(潜血尿を抑える薬)の効果がないので投薬中止
- 結石用の療法食と、ウロアクトというサプリを併用しての対処療法の提案
ホームドクターでの見解と提案
- 現状は元気と食欲がある
- 腎臓の数値が同病院での皮下補液治療で正常値になった
- 尿中の潜血、白血球は処方された薬(止血剤のトランサミン)では良くならなかった。原因となっている結石は治っていないためだと診断。
この3つを踏まえて、下記の対処療法で様子をみていくことを提案。
- 今までは持病の腎臓病のケアを優先していたため腎臓病療法食を与えていたが、結石の状況が深刻なため今後は結石用の療法食に切り替える
- 定期的な尿検査、血液検査で体の変化を慎重にモニターする
今後のケア方法

今できる「治療法」はないので、結石用の療法食を食べ、獣医師指定のサプリ「ウロアクト」を併用しつつ、様子を見ることになりました。
定期的に自宅での尿検査、病院での血液検査および尿検査をしながら、見守っていくことになります。
結石の悪化を防ぐために「水をよく飲ませるように」とよく言われます。
以前はこれがなかなか大変だったのですが、ロイヤルカナンの結石用療法食「ユリナリーケア」のフードは「水を飲みたくなる」ように作られているようで、びっくりするほどゴクゴクお水を飲んでくれています。
オリオンは動物病院のみで購入できる「ユリナリーS/O エイジング7+ + CLT」というフードを食べています。
そのほかのユリナリーケアシリーズのフードはAmazonからでも購入可能ですが、療法食なので初めは必ず獣医さんと相談してください。
今回のアドバイスは電話で貰えました
ありがたいことに、上記の獣医師からのアドバイスは両方の病院から、電話での相談でいただく事ができました。
もちろんカルテがあり医師たちが状況を把握しているからできる事なのですが、今できる処置がなくても、「とりあえず連れてきて」と言われる動物病院もあると思います。
病気の猫は通院費、治療費、薬の処方に療法食ととにかく出費も時間もかさむし、通院は猫にもストレスになるので、電話でこういった対応がしてもらえたのは本当にありがたいです。

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【まとめ】猫の腎臓病・尿路結石の闘病記録
シュウ酸カルシウム結石の再発を診断されたオリオン、皮下補液による対処治療で元気に回復するまでをまとめました。
オリオンが患っている腎臓病、尿路結石ケアについてこちらにも記事がたくさんあるので、ぜひ合わせて見てみてくださいね。
同じ病気を抱えた猫ちゃんのご家族の励みになれば嬉しいです。健康体でなくても、元気に長生きしようね!
👉 腎臓病・尿路結石ケアの記事はこちらから